コロナ対策…息子の病気から学んだこと
こんにちは。
ふじもと歯科診療所です。
今回のブログテーマは
・新型コロナウィルスを含め
感染症は頑張れば予防できる
・口腔ケアは全身の
良好な健康状態維持に重要
・副腎白質ジストロフィー(ALD)という
難病について
この3点。
これは歯医者である
僕個人の実体験による感想であって
文献的な根拠はなんらない
でも僕自身
息子の病気で経験したことだから
本当に大事なことだと思う
2019年3月
8歳の息子が
「副腎白質ジストロフィー(ALD)」と
診断された
先生に病名を告げられた時は
さっぱり何のことやらだった
でも先生の顔色からただ事ではない
病気であることは伺えた
帰宅後ネットで検索して愕然とした
不治の病と書かれている
何もしなければ1〜2年で寝たきり
5〜6年で亡くなる
唯一の治療法は造血幹細胞移植
いわゆる骨髄移植だ
しかし、骨髄移植をしても
病気の進行を停止させるだけ
どの辺りまで進行して
停止するかわからない
寝たきりで停止するかもしれない
さらには骨髄移植そのものの
成功率もなかなかのもの
妻と二人で悩みに悩んだ
そして決断した
骨髄移植をしようと
幸い11歳のお姉ちゃんの
HLA(骨髄の型)が完全一致した
2019年4月から入院生活が始まった
骨髄移植について先生から色々説明される
多くのリスクがある
当然お姉ちゃんにもリスクがある
お姉ちゃん本人に
本当にドナーになってくれるのか
確認したが当たり前のように
弟のためならやるよとさらっと言った
5月から今ある骨髄を破壊するための
抗がん剤治療、放射線治療が始まった
これをすると免疫力が一気に低下する
この時期から
クリーンルーム(無菌室)に移動になった
息子が入院した病棟は主に白血病とかで
入院してる子たちの病棟で
みんな抗がん剤治療や
放射線治療を行なって
免疫力の低下した子たちばかりだ
なので病棟に入る前に自動ドアが2枚あって
看護師さんに開けてもらわないと
入れないような病棟だ
クリーンルームは奥にあって
さらに2枚の自動ドアを
開けてもらってからやっと入室できる
シャワーとトイレも部屋の中にあって
息子はこの日から2ヶ月
この5畳ほどの部屋から一歩も外に出られない
窓もない
こりゃ大変だ
抗がん剤治療や放射線治療が始まる時
先生から受けた説明は
必ず口内炎が口全体にできる
そして喋れなくなったり
ご飯が食べられなくなるから
鼻からチューブを通すと言われた
これは歯医者としてのがんばりどころだ
毎日の血液検査の
数値がみるみる下がっていく
それに伴って
歯ぐきもどんどん腫れてくるし
唾液量も減ってきた
口腔湿潤剤のスプレーと
歯周外科手術後の超軟毛歯ブラシで
毎日しっかり口腔ケアをした
骨髄移植後の経過は大変だった
当然ながら髪の毛は抜けるし
食欲は落ちるし 不機嫌だし
1週間毎日筋肉注射は辛そうだった
でも先生に言わせれば
骨髄移植後の経過としては
今までで一番いいと言われた
そう 口内炎もできてなくて
移植後も毎日経口で食事が取れた
お父さん頑張ったよ
やればできるじゃないか歯医者
口の中の健康が全身疾患に
とても重要だと言われていることを
身を以て体験した
本当に重要なんです
今流行ってる
新型コロナウィルスに対しても
インフルエンザウィルス同様に
予防には口腔ケアはとても重要
口腔内が不衛生だと
誤嚥性肺炎のリスクも出てくるので
重症化するかもしれない
移植後の経過は順調といっても
病気の進行はまだ続いているし
クリーンルームから
一歩も出られないので体力がどんどん落ちる
ベッドから体を起こすこともできない状態
当然歩けない
病気は急激に進行していくみたいだから心配だ
–2019年7月末– 退院
お姉ちゃんの誕生日は
自宅で家族4人で祝いたい
なんとか間に合った
4ヶ月間の闘病生活
家族4人バラバラでの食事
4人で食卓を囲む
こんなことが涙が出てくるほど幸せに感じた
退院したものの日常とは程遠い
生活の新たな始まり
まだ免疫力は新生児以下
食事は全て加熱したもの
作り置きもできず
調理後1時間以内のものだけ
僕も初めて知ったことだけど
骨髄を破壊してるから
今まで獲得した免疫は
全てリセットされてるみたい
赤ちゃんのときに受けた
予防接種とかもまた全て
接種し直さないといけない
本当に新生児だ
けどまだ予防接種にすら耐えられない免疫力
そう
2019年4月から
僕たち家族の自粛生活は始まっていたのだ
風邪引くのもダメ
インフルエンザなんてもってのほか
命に関わる
新型コロナウィルスのニュースでも
歯医者はハイリスクって報道されてた
僕がなんやかんや感染症持ち帰ったら一大事
診療所全体で感染対策
スタッフの健康管理
みんな徹底してやってくれた
おかげで2019年4月から家族4人
スタッフ全員 風邪すら引いてない
なんでもちゃんとやってればできるんだ
そんなだから骨髄移植後は
入退院を繰り返すことも
よくあるみたいだが
我が子は再入院もなく
熱すら出すこともなかった
ALDはあらゆる機能が低下していくので
嚥下(ものを飲み込むこと)の力も
低下していく
だからよくむせたりする
免疫力の低い状態だと誤嚥をした場合
多くの細菌が入ってくるので熱が出やすい
でも熱出してないので口腔ケアと
口の体操(MFT)を頑張ってたから
よかったのだろう
歯医者のお父さん
息子の健康維持のために頑張ったよ
やっぱり口腔ケアは大事だね
歯医者すごいだろという自画自賛
新型コロナウィルスの報道で
歯科医院は感染リスク高いと言われていたが
歯科医院には常日頃から
HIVや肝炎ウィルスなど
いろいろな感染症の
既往歴がある患者さんが来る
だから、今だけじゃなくて
常に感染対策バッチリしてる
コンビニより多い歯科医院で
新型コロナウィルスの
感染が広がった事例は一つもない
患者さんからスタッフへ
感染した例は全国で1例
あったみたいだが
歯科医院で患者さんへ
感染したという例は全くない
そりゃ毎日戦っている
虫歯や歯周病は細菌なんだから
歯医者は感染症のプロフェッショナルだ
最後もやっぱり
歯医者はすごいだろという自画自賛
長々と読んでいただきありがとうございます
全ては愛する我が子のため
そして何より
通院してくださっている患者さんのため
こんな世の中だから
少しでも安心して通院していだだけるよう
今日も自信を持って歯医者がんばります